今日のダイナミックなメディア環境とマルチスクリーンに向けた配信にとって、フォーマット間のトランスコードは重要な要素です。しかし効果的かつ有益なトランスコード設備には、いわゆるフォーマット変換ツールとは程遠いソリューションが必要です。

エンタープライズ向け SelenioFlex™ File は、革新的なメディアワークフロー・プラットホームである Zenium™ (ジーニウム)上に構成されます。トランスコードの範疇を超えるほどシームレスに、大量のメディア変換とワークフローの処理を実現します。

 

こんな場合におすすめします!

  • MPEG-DASH や、DRM ソリューション Ultraviolet、4K/UltraHD、HEVC 等、最新のテクノロジーを使いたい
  • 大量のトランスコード処理を、自動的に高速且つ正確に処理したい
  • PC やスマホなどマルチスクリーン向けにコンテンツを再配信したい
  • ファイルベースでのワークフロー管理を効率的且つ容易に行いたい
  • トランスコードだけでなくファイル QC やオーディオラウドネスなども一緒に管理したい

SelenioFlex™ File の主な特長

最新のテクノロジーやサードパーティ製プラグインに素早く対応

SelenioFlex™ File の基盤にある Zenium™ ワークフローマネージャは、オープンなサードパーティパートナー・エコシステムによって、最新のテクノロジーである HEVC (H.265)や 4K/UltraHD、次世代 ABR 配信方式である MPEG-DASH、マルチプラットフォーム向け DRM ソリューションである Ultraviolet などに対応しています。ファイルベース QC ソリューションやラウドネス調整プラグインなどともシームレスな連携、ワークフローとして含めることが可能です。

トランスコードの集中管理と自動化

SelenioFlex™ File は、ウォッチフォルダを使ってトランスコード設定の管理と自動化を提供します。ウォッチフォルダを使用することで、シンプルなワークフローを構築でき、また既存のワークフローに付加させることも容易に行えます。

さらに SelenioFlex™ File の持つ Logic Driven 機能は、入力されたファイルの情報を基にして処理を動的に変更させることができます。従来はメディアファイルに些細な違いがあるだけで、ウォッチフォルダやプロジェクトを人的操作で変える必要がありました。Logic Driven 機能によって正確且つ効率的なメディアワークフローを実現します。(例:入力ファイルがインターレースかプログレッシブかを判断し、インターレースの場合はインターレース解除プラグインへ処理を繋いでプログレッシブ化するなどが可能)

インテリジェントな負荷分散

SelenioFlex™ File は、全てのトランスコードジョブに対して独自のスコアリング(点数)を行います。この結果を元にして、入ってきたトランスコードジョブをどのトランスコードエンジンで行うべきかを考え、その時点で最適となるように負荷分散を行います。

エンタープライズクラスのソリューション

万が一障害が発生した場合も対処できるように冗長構成を構築することも可能です。サーバーの障害時には自動でフェールオーバーさせたり、ジョブの自動リトライ、メールによる障害報告などエンタープライズクラスのシステム構築に対応しています。

SelenioFlex™ File システム概略図

SelenioFlex™ File Server

トランスコードの分散処理やジョブ、ウォッチフォルダ、エラーなど全ての管理を行います。

SelenioFlex™ File Zenium™ Engine

実際にトランスコード処理を行う演算処理専用機です。従来からの Stream Transcode Engine は固定ライセンスになりますが、Stream ソフトウェアのプロジェクトをそのまま使用できます。SelenioFlex™ File Zenium™ Engine はライセンスサーバーによって柔軟に管理できます。

SelenioFlex™ File Console

すべての管理を行うコンソール GUI です。SelenioFlex™ File の設定やエラーログの確認などを遠隔で行えます。

Zenium™ ワークフローマネージャ

SelenioFlex™ File は、Zenium™ ワークフローマネージャ上で動作します。SelenioFlex™ File のインテリジェントなジョブ管理や、フェールオーバーによる確実性が大量のメディア生成を支え、Zenium™ のワークフローデザインによってマルチスクリーン対応を正確なものとします。次世代メディアにとって強力なソリューションです。

Zenium™ (ジーニウム)とは

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Zenium™ は、次世代のメディアワークフローをより効率的に、より速く、より判り易くして、柔軟にワークフローを構築・管理できるようにするためのプラットホームです。これからのマルチスクリーン、ファイルベース時代のニーズにいち早く応えられるように、オープンなエコシステムに設計され、数多くのサードパーティ・パートナーとの連携も実現しています。

オブジェクト指向で構築「Zenium™ Designer 」

Zenium™ Designer は、オブジェクト指向(ノードベース)でメディアワークフローを構築できる Zenium™ ワークフローマネージャ用のデザインツールです。マルチスクリーン配信では、視聴端末ごと正確に且つ大量にメディアを生成する必要がありますが、設定構築や管理が煩雑なワークフローになりがちです。Zenium™ Designer は設定に必要な全てをノード化することによって、容易な設定構築と管理を実現し運用コストを抑制します。

クラウド対応(将来的に対応予定)

SelenioFlex™ File は、Zenium™ をベースとしたライセンス管理が導入され、より柔軟性のある設備管理ができるようになります。将来的にはクラウドにも対応する予定で、例えば繁忙期のときだけ SelenioFlex™ File Zenium™ Engine (演算処理エンジン)を、クラウドまたはオンプレミス設備で一時的に増強するといったことが可能になります。

SelenioFlex™ File の主な機能

  • 大量のメディア変換処理における優れた品質、効率、スケーラビリティ、柔軟性
  • 画期的な Zenium™ ワークフローマネージャによる強化
  • 100 以上の処理エンジンまで拡張可能
  • Zenium™ Designer による変換処理ワークフローを視覚的に明確化
  • 意思決定の自動化による最大効率化(SelenioFlex™ File Zenium™ Engine)
  • フローティングライセンスによる柔軟な設備構築(SelenioFlex™ File Zenium™ Engine)
  • ダイナミックなワークフローエンジンによる、簡単なアップデートと素早い設備構築
  • オンプレミスとクラウドベースのメディア処理をシームレスに統合(将来的に対応)
  • プロフェッショナルが扱うアーカイブや VOD、ブロードキャストサーバー、消費者への配信フォーマットまで様々に対応
  • ビデオ・オーディオの再圧縮なくコンテナ間の再パッケージ / 再ラッピング(トランスマクシング)(SelenioFlex™ File Zenium™ Engine)
  • インバーステレシネやインターレース解除、カラースペース変換など高品質なビデオプロセス
  • 再チャンネルマッピングやミックスダウン、サンプルレート変換など高品質なオーディオプロセス
  • Dolby Dialog Intelligence™ のオーディオラウドネス校正(SelenioFlex™ File Zenium™ Engine のオプション)
  • ジョブやサーバーのフェイルオーバー(ジョブは再試行か再配布、サーバーはプライマリからバックアップへ管理が移行)
  • 自動で障害警報を通知
  • SNMP(Simple Network Management Protocol)対応
  • 自動 QC ツールとサーバーレベルでの統合
  • ブラックボーダーとコマーシャルブラックを自動的に検出および除去が可能
  • 頭 / お尻にスタジオ ID や広告などのクリップを追加可能
  • XML のクリップリストで、ソースのビデオ・オーディオから複数トリミングして合わせることが可能
  • サードパーティ製データベースに対応(Oracle® 11g、Microsoft® SQL Server 2008/2012、PostgreSQL 9)
  • ローカルや LDAP アクセス管理でのユーザー認証
  • オープンな開発プラットホームと Web Services API によるカスタム化

対応フォーマット・コーデック

H.264 (AVC) MPEG-DASH VC-1/Windows Media Adobe® Flash (F4V)
MPEG-4 Part 2 MPEG-2 AVI Microsoft IIS Smooth Streaming
3GPP MPEG-1 QuickTime® HTTP Live Streaming (HLS)
MXF (AS02 含む) XDCAM HD AVC-Intra UltraViolet Common File Format (CFF)
GXF LXF JPEG2000 Avid DNxHD®
Omneon RED (入力) DVCPro HD Dolby® Digital and Digital Plus
Dolby Pulse (AAC) DTS-HD MP3 その他
注意) 記載のフォーマット・コーデックにはオプション(別売)も含まれ、SelenioFlex™ File Zenium™ Engine または Stream Transcode Engine によって対応の可否が異なります。詳しくはコチラの一覧表(Stream Transcode Manager 2.0 Transcode Engine – 対応フォーマット)をご確認いただくか、弊社までお問い合せください。

事例紹介(旧 Digital Rapids 時)

Turner Broadcasting System, Inc.

StreamZ HD (現 SelenioFlex™ Ingest)でインジェスト・エンコードされたメディアを、マルチスクリーン向けに配信するためのメディアフォーマット変換処理および、メディア処理ワークフローに Stream Transcode Manager 2.0 powered by Kayak (現 SelenioFlex™ File powered by Zenium™)を活用しています。