ABR(アダプティブ・ビットレート)とは、最先端の動画コンテンツ配信技術です。IPネットワークのコンテンツ配信において、できる限り高画質・高音質なコンテンツを届けることは重要なテーマの1つです。そこで問題となるのが「ビットレート」です。ビットレートを上げると高画質・高音質になりますが、視聴者の回線速度や視聴端末の性能によっては下記のような問題が生じる可能性があります。
- 配信ページに用意されたビットレート(低中高画質)のうち何が最適かわからない
- 高ビットレートを選択したらバッファリングに時間がかかって中々始まらない
- 再生直後はスムースだったが、徐々に途切れたり、止まったりするようになった
- コンテンツを見ている途中で品質を変えたくなったが、最初から再生し直す必要がある
- 自分の環境ならもっと高ビットレートでも見れるはずなのに、低品質しか提供されていない
これらの問題を解決するためにABRが誕生しました。プレイヤーがコンテンツの再生状態を常に監視し、状態に応じて最適なビットレートへ動的に自動で切り替えます。ABRによって可能な限り高品質にコンテンツをスムースに視聴することができます。
現在、Microsoft、Adobe、Apple の3社からABRテクノロジは提供されており、Digital Rapids社のStream シリーズはその全てに対応することができます。
IIS Smotth Streaming 特長
Web サーバーに統合
IIS Smooth Streaming は、Web サーバーサービスであるIIS に追加できるMedia Services 拡張モジュールに含まれます。管理はすべてIIS に統合されているため、セキュリティやWeb 上のコンテンツなど全てを一元管理することが可能で、煩雑なワークフローになり難いのが特長です。ライブ配信とオンデマンド配信の両方可能で、プロトコルもHTTP を使用するため、一般的なWeb 配信設備と技術を活用できます。
PlayReady DRM
PlayReady は、Microsoft 社から提供されるDRM 技術です。PlayReady は過去にあったWindows Media DRM から進化したもので、Smooth Streaming の著作権保護のためにPlayReady DRM を使用できます。Windows Media DRM が適用されたコンテンツにもPlayReady で対応できるので、Silverlight やSmooth Streaming への移行もスムースに行えます。
iPhone/iPad にも対応可能
Media Services 4.0 からLive Smooth Streaming にApple mobile 出力オプションが追加され、iPhone やiPad へ同時に配信することもできるようになりました。Apple mobile 出力オプションを有効にしておくと、設定した公開ポイントに入力されてきたストリームを、サーバーがiPhone/iPad 用ファイルを自動的に生成します。
Dynamic Streaming 特長
プロトコルとコーデック
Dynamic Streaming は2つプロトコルを利用することができます。映像配信に特化させたRTMP(Real Time Message Protocol )プロトコルによる配信は、再生までにかかる時間が短いという特長があります。もうひとつのHTTP プロトコルによる配信は、一般的なWeb 配信設備と技術を活用できます。コーデックはVP6/MP3 またはH.264/AAC を使い、中身をフラグメント化することによってDynamic Streaming を実現します。ライブおよびオンデマンド配信が可能です。
オーディエンスへのリーチ
Dynamic Streaming を再生するプレイヤーは、インストールベースの多いFlash Media Player またはAdobe AIR アプリケーションです。Windows やMacOS、そしてLinux とマルチプラットホームにも対応します。従って、数多くのオーディエンスを獲得するための優位性を持っています。
HTTP Streaming 特長
スマートフォン向け配信に欠かせない端末
iPhone はスマートフォンの火付け役とも言える端末で、そのためユーザーも国内外問わず多数存在します。iOS vs Android OS のユーザー数比を考えた場合は、ほぼ同じもしくはAndroidのほうが上かもしれません。しかし、Android には多数の機種があり、メーカーやモデルによって仕様、販売している国がそれぞれ異なるため、配信されるコンテンツを正しく見れるかわかりません。iPhone は世代の違いこそありますが基本は同じで、配信フォーマットもApple 社より定められています。つまりiPhone への配信は、多数のユーザーへ安定してコンテンツを配信できる可能性が最も高い端末と言えます。また、モバイルのように回線速度が不安定な環境への配信には、ABR(アダプティブ・ビットレート)は有効な手段です。
配信はWeb サーバーから
文字通りこの配信はHTTP プロトコルを使用して配信しますので、一般的なWeb 配信設備と技術を活用できます。Apache やIIS といったWeb サーバーを使って、ライブ配信もオンデマンド配信も両方行うことができます。
暗号化に対応
HTTP Streaming / HTTP Live Streaming は、AES-128 CBC モードによる暗号化によってコンテンツを保護することが可能です。複合化するためのキーは、同一サーバー内または外部のサーバーなどフレキシブルに設置できます。